経営課題のステージと相談相手― 誰に何を相談しますか?
前回は、社内で解決できないことは社外の力を使うこと、課題の内容によって相談相手は変わることをお伝えしました。今回は、引き続き「誰に何を?」について考えてみたいと思います。
経営の悩みや課題の内容を考えるー 「答え」が欲しい課題
社内では解決しない経営上の悩みや課題について、もう少し考えてみます。
この分野が分からない、知りたい、といったノウハウや技術が必要な課題は、その道の専門家に相談することが一番です。税務・会計・法務・労務・企業診断などは、いわゆる「士業」の方々にご相談すれば適切な解答が返ってくるはずです。
また、HP作成と運用、人事制度構築など、特定テーマで何か作り上げていくような課題も、その分野の専門領域で活躍するコンサルタントの活用が選択肢になってくるでしょう。
悩みや課題の回答の選択肢を得るには、AIも積極的に活用するべきでしょう。複数のAIを比較することで、ある程度の抜け漏れを防ぎつつ回答の選択肢を見つけることはできます。また自分が考える回答が正しいか、問い合わせてもいいでしょう。
但し、本当に正しいか、何を選ぶかは自身で行う必要があります。時間も取られますし、高いレベルでの判断力が求めらます。「答え」が欲しい課題には、専門家とAIを活用することが効果的ですが、決断は自身一人で行うことが必要だ、ということですね。
「答え」は分かっている、でも「出来ない」課題はどうする?
中小企業の経営支援の現場で感じることですが、経営課題に対する「答え」は、経営者の中に大抵あるものです。しかし、「分かっていてもできない、どうしたらいい?」というケースが大変多いと思います。「やるべきことは分かる、でも実践出来ない、やっても結果がでない」と悩まれるケースです。
この場合、「答え」に加え、「実践と結果」を求めることになります。今のままでは出来ない、結果が出ないのですから、なぜ出来ないか、どこに原因があるかを明確にして、どうしたら実践して結果が出るか、考えていかねばなりません。
この場合「今のまま」から、「実践して結果が出る状態」にもっていくわけですから、かならず何らかの「変化」が必要になります。経営者自身もそうですし、社員もそうです。取引先にも求める必要があるかもしれません。
「変化」は簡単ではありません。つきつめれば、自身の生き方や人としての本能まで見つめる瞬間が必要になってくることもあります。そうすると、深いレベルで経営者の人そのものに触れ、理解し、共に考え、進み方を見つけていく相談相手が必要でしょう。
ファシリテーター、アドバイザー、コーチ、メンターといった領域で活躍する人が選択肢にはいってくると思います。
「経営コンサル」を考える
ところで、「コンサルタント」の語源ですが、元々はラテン語の「consurtale(コンスルターレ)」に由来するそうです。元をたどると「相談する」「意見を求める」という意味を持つラテン語「consulo(コンスーロ)」から派生しており、分解すると「con=共に」「sulo=座る」になるとのこと。
つまり、本来は「(クライアントと)共に膝を突き合わせて座り、話し合いながら解決策を考える」という意味合いが込められているそうです。
ただ、一般的に経営者から見た経営コンサルには、少々違うニュアンスを感じます。
「こうするべき!が、とにかく強い人」「社内を回って、データとしてまとめるのが上手い人」「様々な他社事例を引っ張ってきて、社内データと合わせることで解決の選択肢を提示する人」「実践は皆さん次第です、と割り切って言う人」・・といったところでしょうか。
「上手くいけば私の成果、出来ないのはクライアントのせい」といった揶揄も聞こえてくることもあります。あまりいいイメージがない方も多いのではないでしょうか。
課題のステージと目指したいことの確認から相談相手を考える
貴社の課題や悩みのステージは今どこにあるのでしょうか?
まだもやもやしている、単純ではない、時間がかかりそうだ・・・そう感じているのであれば、まずは課題を言語化して、構造を明らかにするステージです。
ご自身で実施することもありですが、私は第三者の目を入れることをお薦めします。客観的な視点、視野、視座で見ると、今どういう状況なのか、まずはクリアにすることですね。
「いやいや、課題も原因もクリアでリソースが足りないんだ」ということであれば、対象領域の専門家に相談すればいいでしょう。どうしたらいいか、レポートにまとめて示して欲しい、というステージであれば、一般的な経営コンサルの出番かもしれません。
いずれにせよ、経営者が自分の課題のステージに自覚的であることが大切です。課題の言語化・構造の明確化をするべきステージなのか、明確になった課題を解決するステージなのかを区別することです。
そして、順番を間違えないことを最後にお伝えしたいと思います。
やみくもに課題の解決に走っても、その前に解決するべき会社の構造上の問題があるケースも多々ありますので、ご留意ください。
次回は、誰が何を、に加えて「どのように?」について考えたいと思います。
*課題の言語化・構造の明確化には、対話や言語化・整理セッションが有効です。
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