運送業/社員70名/代表取締役N社長

迷いの先に、光を見せる人。―from Willの伴走型支援

経営に正解はない。だが、道を照らす光はある。望月氏は、クライアントの中に眠るその“光”を一緒に見つけ出す伴走者だ。焦らず、諦めず、対話を重ねながら、組織や個人が自ら進む力を取り戻す。強引に導かない。寄り添いながらも、芯を通す。その姿勢に、多くの経営者が「また一歩、進める」と語る理由がある。(写真はイメージです)

A県/運送業/社員70名
代表取締役 N社長 

(インタビュアー 森原英壽)

リース会社時代の出会いから、支援者として再びつながった望月氏とN社長。誠実さと人間味にあふれたその姿勢は、家業を継いだ三代目・女性経営者であるN社長の心を動かし、組織に少しずつ前向きな変化をもたらしている。本対談では、そんな望月氏との歩みを通じて、「人に寄り添う経営支援」とは何かを探った。

説明がわかりやすく、誠実な印象

望月さんとの出会いは、どんなきっかけでいつ頃だったんでしょうか。

最初の出会いは、望月さんが前職に勤務されていた時でした。もう10年ほど前になるでしょうか。当時の印象は「とても誠実な方」。リースって、正直なところ複雑で分かりにくい部分も多いんですが、望月さんは専門的なことを一つひとつ丁寧に、相手の立場に立って説明してくださるんです。

しかも、自社の利益を前面に出すような話し方をまったくされない。純粋に、相手が理解しやすいように、納得できるように、という姿勢が伝わってきました。「この人は信頼できる」と感じたのを、今でも覚えています。

7年前と同様の温かい人柄

その後、しばらくお会いする機会はなかったんですよね。

はい。転勤されてからは連絡も途絶えていました。再会したのは7〜8年ぶりでしたね。ある方から「紹介したい方がいる」と言われてお会いしたら、なんと望月さん! びっくりしました。

以前からお仕事以外の話もたくさんしていたんです。当社に来られた際には、「(この地域で)地元の人々に人気のお店はここだよ」とか「このお菓子が好きなんです」なんて話題も多くて。登山やトレッキングの話もされていて、本当に○県に詳しい方でした。そんな親しみやすい人柄もあって、再会した瞬間に一気に距離が縮まりましたね。

話を“聞いてくれる”人の存在

望月さんと再会した当時、会社ではどんな悩みを抱えていたんですか?

一番は、社員とのコミュニケーションです。社内の距離感が遠く、どうすればいいのか分かりませんでした。教育の進め方にも悩んでいました。

私は三代目として父の後を継ぎましたが、経営のことは一切学んだことがありませんでした。しかも、兄が途中で会社を離れ、気づけば自分が継ぐことに。父から「女性には無理だ」と反対されたこともありましたが、最終的に覚悟を決めて社長になったんです。けれども、社員をどう導くか、組織をどうまとめるか——。それは本やセミナーでは学べない、誰も教えてくれない領域でした。

そんなとき、望月さんに再会しました。最初にしてくれたのは「とにかく話を聞く」こと。それだけで気持ちが救われました。こちらの状況を焦らず、じっくり受け止めてくれる。経営者として孤独を感じていた時期だったので、「こんなに話を聞いてくれる人がいるんだ」と涙が出そうでした。

企業と人をつなぐビジョンづくり

具体的にどんなテーマで相談されたんでしょう。

社員教育やコミュニケーションだけでなく、「会社の方向性をどう共有するか」という部分です。望月さんから、「社員全員が同じ目標に向かって進めるように、ビジョンを明確にしましょう」と提案を受けました。

目の前の課題を片付けることばかり考えていた私にとって、その言葉は衝撃でした。「自分の視野の狭さに気づかされた」というのが正直なところです。

それからは、会社の理念や将来像を一緒に言語化しながら、社員にも分かりやすく伝える努力を始めました。まだ途中ですが、望月さんは、ただの経営コンサルタントではなく、「一緒に考え、一緒に作る伴走者」だと感じました。

経営者が自分の言葉で伝える大切さ

これまでの関わりの中で、印象に残る出来事はありますか?

社員との間にトラブルが起きたときのことです。以前、直接注意をしたら誤解されてしまい、それ以来、すべて専務(夫)を通して伝えるようにしていました。望月さんに相談したところ、「伝えたいことを、なぜか?を添えて伝えてみてください」とアドバイスを受け、自分の言葉で社員に説明することを決意し、根拠をきちんと示して必要な処分を行いました。なぜそうするのか、という「理由」や「思い」を伝えることが大切だったんですね。

結果として、社内の空気が引き締まり、問題行動も落ち着きました。「社長が本気で会社を良くしようとしている」と、社員たちが感じてくれたんだと思います。その経験を通じて、私は「言いにくいことでも、理由や思いを添えて自分の言葉で伝える大切さ」を実感しました。

承継という「触れたくない」課題

ありがとうございます。ところで、事業承継についてもお悩みだったとお聞きしましたが、どのような問題や悩みを抱いていたか、教えていただけますか。

私自身、三代目として会社を継いで何年か経っていましたが、ずっと頭を悩ませていたのが、「少数株主問題」でした。私がお会いしたことのない株主さんがいらっしゃったり、親族ではあるものの疎遠になってしまい、連絡先もわからず、連絡を取ることが非常に難しかったんです。

関係性の問題だけでなく、物理的な連絡の難しさもあったわけですね。

はい。さらに深刻なのは、株主さんの中で相続が発生しても、その事実すら会社で把握できておらず、知らない間に「相続株の権利者」が増えていってしまっているという状況でした。株権そのものを見たことがない、探しても見当たらない株主の方の存在もあって、どこから手をつけたらいいのか、本当に五里霧中でした。公認会計士に相談しても「弁護士に…」、司法書士に相談しても「それはうちでは…」とたらい回しにされ、何年もの間、問題が解決に向かわなかったんです。

会社の存続にも関わる重要な問題なのに、専門家からも明確な答えが得られないのは、経営者として非常にお辛かったでしょう。

どこから手をつけていいか分からず、誰も触りたがらない問題を先延ばしにしてきたので。正直辛かったですね。どうしたらいいか分からない不安もありました。

知識、人脈、徹底した責任感

望月さんは、その複雑な株主問題に対して、どのような具体的なサポートをされたのでしょうか?

まず、的確な弁護士の先生をご紹介くださいました。本社所在の地域では、司法書士さんや弁護士さんでも、この種の複雑な事案に対応できる方は多くありません。望月さんの知識の深さと確かな人脈があったからこそ、株主の所在調査や相続株の整理という、最初の一歩を踏み出すことができました。

それは望月さんのネットワークの賜物ですね。ただ、専門家を紹介して「あとはお任せ」というスタンスではなかったと伺っています。

まさにそこが従来のコンサルタントとは決定的に違うところです。望月さんは弁護士や司法書士といった先生方と密に連絡を取り合ってくださり、任せきりにはせず、進捗状況の情報共有を徹底してくださいました。

具体的には、どのような形で?

毎回お打ち合わせ会議を設定していただき、全員が理解できるような情報共有のための細かい資料を作ってくださったり、メールなどで間に入って連絡を密にとってくださったりしました。各専門家がそれぞれの持ち場で動いている中で、望月さんが進行・調整・監督役として振る舞ってくださり、全員が「同じ情報と目標」を共有しながら動けるようにしてくれたんです。私は「餅は餅屋」で専門家にお任せするだけではダメなんだ、ということを改めて実感しました。

まさにビジネスファシリテーターとしての役割ですね。「つなぐ」「整える」「進捗を管理する」という高い責任感が、長年停滞していた問題を動かす力になったわけですね。

はい。その結果、まだ進行形ではありますが、少数株主問題の解決が着実に進んでいるという「確かな実感」を持つことができています。以前は「解決できるんだろうか」という不安ばかりでしたが、「これは確実に解決できる事案なんだ」という安心感に変わっています。

多角的なヒアリングと伴走支援

事業承継の複雑な問題解決と並行して、会社の理念やビジョン、社員との関わり方についてもサポートを受けていらっしゃいますね。

現在の支援は「会社の理念やビジョンをきちんと作っていく」こと、「社員との関わり方」、そして「後継者育成」が主なテーマです。特に望月さんが素晴らしいのは、私から非常に多くの情報を時間をかけて引き出してくださることです。

どんな情報を引き出されるのでしょうか?

私個人のこと、会社の歴史、取引先の情報、後継者の考え方に至るまで、「そんなところまで?」という細かな側面まで深く理解しようとしてくださるんです。会計事務所との会話でも情報は入ってきますが、望月さんはさらに一段深く、本質的に考えてアドバイスをくれる。会話のキャッチボールの中で、私自身が気づいていなかった会社の側面や、大事にしていた価値観が「発掘される」ような感覚があります。

それは単なる知識だけでなく、人としての傾聴力、親しみやすい人柄が作用しているからこそ、安心して本音を語れるということでしょうね。

まさにその通りです。また、後継者育成に関しても、「いつまでに何を決めなければならないか」というタイムスケジュールを具体的に資料で作ってくださったんです。他の専門家はここまで考えてくれません。望月さんは本当に深く、長いスパンで考えてくださるので、「本当に一緒に歩いてくださっている、寄り添ってくださっている」という安心感があるんです。

ファミリーも巻き込む変化

役員であるご主人やご家族の件でも、望月さんとの出会いが良い影響を与えていると伺いました。

以前、会食の際に、夫と望月さんが二人きりで会話する時間があったんです。その場で望月さんは、夫から色々な思いを引き出して聞いてくださったようで、その後、夫との仕事の会話や業務上のやり取りが変わりました。振り返ると、家族の立場が仕事の立場に影響を与えていたんですね。今は随分減ったように感じます。業務上の報告も丁寧にしてくれるようになり、お互いの役割をより意識して、スムーズに仕事を進められるようになりました。

夫婦間のコミュニケーションにも良い変化をもたらしたんですね。望月さんに対する信頼感が、ご主人の意識も変えたのでしょう。

そう思います。家族経営の企業にとって、企業とファミリーの両方を見てアドバイスをくださる望月さんの存在は、本当に心強いです。

最後に、どのような会社に望月さんを紹介したいと思われますか?

中小企業、特に家族経営や親族経営で、歴史が古く、私たちのように「少数株主問題」や「後継者育成」など、誰も触りたがらない問題を抱えている会社です。どこから手をつけていいか分からない、専門家にたらい回しにされて困っている方には、本当に望月さんのサポートが必要だと思います。法律の素人である私たちに「どうやって進めればいいか」を確実に示してくれ、解決まで伴走してくれる望月さんのような存在は、本当に貴重だと思います。

ありがとうございます。望月さんが所属されているファミリービジネスアドバイザー協会の認知拡大にも期待されているそうですね。

はい。望月さんがいらっしゃったからこそ、協会の存在を知り、解決の糸口を見つけることができました。望月さんの活躍と実績が、協会の認知拡大につながることも願っています。

インタビューを終えて

インタビューを通して、N社長の言葉から一貫して伝わってきたのは、望月氏のプロフェッショナルとしての「知識の幅」と、人間としての「深さ」である。複雑な事業承継を「聞く、整える、つなぐ」というファシリテーション能力で着実に前進させ、経営者の孤独な心に寄り添い、長期的なビジョンを共に描く。その姿勢は、まさに「経営者の未来を一緒に描く伴走者」に他ならない。

「どこから手をつければいいのか分からない」「誰に相談すべきか迷っている」という状況は、多くの経営者が抱える共通の課題であろう。望月氏のサポートは、その不安を「確かな安心感」と「解決への道筋」に変えてくれる。本記事が、貴社の次の一歩を踏み出す勇気となれば幸いである。