なぜ経営者は孤独なのか? その構造を考える

私がご支援を始める際に特に注意していることは「聴くこと」です。「最近どんな感じですか?」というアバウトな質問から始めることが多いのですが、この一言をきっかけに、かなり長い時間お話を続ける経営者がいらっしゃいます。「経営者は孤独なんだ」と改めて認識する瞬間でもあります。

なぜ孤独なのでしょう。少し考えてみると、「役割と立場」というキーワードが思い浮かびます。

経営者は複数の役割の交点にいる
中小企業の経営者は、会社の全ての役割(=機能)の交点にいる唯一の方です。事業を成長させ、資金を調達し、組織の関係性を高め、個々の社員の成長を促す・・。事業と資金・組織・人の全てに関与し、自ら立案し、役員や部門長からも相談を受け、判断をしなければなりません。役員は自部門をまたいだり、そもそも該当する部門がない分野は、判断すること自体ができません。

加えて、中小企業の場合は、経営者がプレイヤーを兼ねるケースも多いので、プレイヤーとマネーシャーの役割も兼任することになります。「あれもこれも、いったいくつの顔で仕事をしなければならないの?」と思われる経営者も、いらっしゃるのではないでしょうか。

最終決断者の責任と結果の引き受け
同時に「最終決断者」ですから、上位者に判断を仰ぐことはできません。「自分が決めたことじゃないから・・」という言い訳ができない唯一の立場でもあるのです。

そして、結果は会社に戻ってきますし、自身で引き受けなければなりません。会社が維持・成長するか、衰退と消滅に進むのか、これも自分の決断次第です。その重圧は計り知れません。

このように、「複数の役割×最終決断者×結果の引き受け者」としての3つの立場を兼ねているのが経営者です。役員や社員とは大きく違います。「唯一の人」だから、孤独を感じる、と思います。

但し、役割と立場については別な観点で押さえるべきポイントがあります。ここは改めて、お伝えしていきたいと思います。