理念の作り方 バリュー
前回はビジョンの作り方についてお伝えしました。
今回はバリューの作り方について考えていきたいと思います。
バリューを作る意味
理念体系におけるバリューの位置づけを再確認したいと思います。
パーパス・ミッションは、会社の根本的な存在意義や社会的使命を言葉で表したものでした。WHY?に応える言葉です。
ビジョンは、会社や事業の理想の姿でした。どのような景色を見たいかですから、WHERE?に応える言葉といえるでしょう。
バリューはこれら上位概念を実現するために、大切にしたい価値観・するべき行動を表す言葉です。HOW?に応える言葉といえるでしょう。
対象は経営者を含む全社員です。
ある職種の職務を100%果たすための業務行動であるコンピテンシーや、社会人として最低限するべき日常の行動ルールとは違います。
上位概念から導き出されること、社員全員が共通して大切にする考え方・理想の行動であることが違いです。
社員全員が対象ですので、ある程度抽象的になることは否めませんが、行動レベルで言語化するのであれば、なるべく具体的に伝わる言葉で表したいものです。
考え方や価値観も大切ですが、あくまで心の中の規準です。実際には自ら行動で示して、初めて他者から認識されるものです。「〇〇している」というように、具体的なアクションが分かるような表現にしたいところです。
バリューの作り方
バリューの作り方は基本的にはビジョンと同じです。パーパス・ミッションは経営者の内省から作るものでしたが、バリューは幹部・社員と共に作りたいものです。以下改めて提示します。
①社員アンケートを取る
社員が集まって検討出来ないときは、アンケートを使う方法があります。
「ビジョンを実現している時、私達はどういう行動をとっているだろう?」「何を大切に仕事をしているだろう?」などの質問に答えて頂く。
キーワードだけでも結構ですので、社員が考える「理想の社員像」を引き出してみてください。
②経営者が理想の社員像を示す
理念のうち、パーパス・ミッション・ビジョンまで経営者が策定・承認してきたはずですので、バリューの原案も経営者が示して構いません。
上位概念の実現手段として、「こうあって欲しい」という理想の社員像を自ら示すことになります。なかなかイメージは湧かない場合は、HPに公開されている他社の事例を参考にしてもいいでしょう。
「〇〇を大切にしている」「〇〇の行動をしている」などで結構ですので、社員が検討するための、たたき台を作ってあげてください。
③選抜チームをつくり、考える
中堅・若手社員や、年齢問わず仕事に前向きな方を中心に策定チームを立ち上げます。アンケートや経営者のたたき台を参考に、複数の話し合い、セッションを通じてキーワードや文章フレーズを抽出してもらいます。
④なぜ作るか、作るとどうなるかを明確にしておく
上位概念が「絵にかいた餅」にならないための手段としてバリューを作ること。作って実際に行動で示すことが大事なので、評価にも取り入れることなど、策定後にバリューが社員にどう関係するか、最初から明確にしておきましょう。
単なるスローガンではない、ということを示して頂ければと思います。
⑤作るプロセスも明確にしておく
どのようなプロセスでバリューを作っていくかも最初に明確にしておきたいところです。社員はアンケートや選抜チームで案を出したわけですから、そのまま放置は厳禁です。最終的には経営者の承認が必要ですので、いつまでに、どのように決めるか、社員に示してあげてください。
バリューで大切にすること
①階層別に求める行動レベルは変わる
例えば、「積極性」をバリューの一つにした場合を考えてみます。新人にとっての「積極性」と、役員にとっての「積極性」を示す行動は同一か?と問えば、間違いなく違いますよね。対象や深さ、関わり方も違うと思います。
最初から余り細かくする必要はありませんが、中小企業の場合は、少なくとも部下有りの幹部と一般社員で求める行動レベルが違うことを示しておくべきでしょう。
②運用が命
バリューは最終的には現実の行動に反映されるはずです。パーパス・ミッション・ビジョンなどの上位概念とは違います。だからこそ評価に反映させたいと思います。
いくら立派なバリューを作っても、やってもやらなくても同じ、何も評価されないのであれば、社員のモチベーションは上がりません。日々の行動がビジョンに近づくという発想も持てないでしょう。
バリューを評価にどう使うかは、次回改めてお伝えしたいと思います。
③上位概念が変わればバリューも変わる
例えばスタートアップのように短期間で一気に業績を向上させたい会社と、安定的に収益を維持し長期的に成長していきたい会社では、社員に期待したい行動や大切にしたい価値観も変わってきます。
また会社の置かれた環境やマーケットが変われば、ビジョンも変わる可能性があります。そこでも求めるバリューは変わります。
因みに、私が前職で勤務していたGEではバリューが15年間で5回変わりました。社会やステークホルダーが会社に求めるものや、会社が提供したい価値が変われば標榜するビジョンも変わります。併せて求める社員像も変わる、という例だと思います。
次回はバリューの運用について、お伝えしたいと思います。
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追記:from Willではバリュー策定のお手伝いもしています。
他社事例や運用方法、実際にどう進めていくかなど、疑問点がありましたら気軽にお問い合わせください。
共に考えるお手伝いが出来ればと思います。


