経営者の孤独― ファミリービジネスだからこそ
前回は、経営者は、「事業と資金、組織、人すべてに関与し、最終決断をする唯一の人」だから孤独を感じる、「結果の引き受けを伴う強烈なプレッシャーにさらされている」とお伝えしました。今回は違う視点で、経営者の役割と立場を見ていきたいと思います。
ファミリービジネスとはー
皆さんは「ファミリービジネス」という言葉をご存知でしょうか?
税務・会計上の観点からの「同族企業」や、金融機関を中心に「オーナー企業」と言われてきた言葉に近く、「家族や親族が株式を所有、もしくは主要な役員に就任し、実質的に会社を支配できている会社」と理解頂ければいいと思います。
R5年国税庁の「会社標本調査」によれば、社数では国内法人の約97%が同族企業となっていますので、ほとんどの企業が「ファミリービジネス」になります。
ファミリービジネスの観点では経営者は三つ(+1)の役割があります。
一つ目は「ビジネス」。ビジネスのトップとして事業を進め、会社を維持・成長させていく役割。二つ目は「オーナー」。株式の所有者として会社を安定的に維持し、配当を促す役割。三つ目が「ファミリー」。家族や親族と共にファミリーとしての意志で会社や事業を支えていく役割。最後に「個人」。個人としてのライフキャリアを築いていく役割です。
役割の重なりがストレスと孤独を生むー
特に悩ましいのが、ビジネスとオーナー、ファミリーや個人の役割の重なりの部分です。ビジネス上はロジカルにものごとを進めたいのに、ファミリーだからこそ、割り切った対応ができない。感情が邪魔をして、合意するべきことが合意できない。前に進まない。イライラが起こる・・・。一方で、家族だからこそ、言えない。黙っている。本音を話せない・・・。
このような心の葛藤によって、経営者の孤独が深まります。ご苦労は身に染みて感じます。
社内のどなたかが相手になり、孤独やご苦労が解消されればいいのですが、立場が違いますので、全てを話すことは難しいと思います。
どうしたらいいでしょう?
次回以降考えていきたいと思います。


