バリューとはー 意義と注意すること

前回のブログではパーパス・ミッション・ビジョンの違いと、理念が中小企業の生存戦略になることを述べてきました。
今回はバリューについて考えてみたいと思います。

バリューの捉え方は様々
理念体系の中でバリューほど色々な捉え方をされている言葉はないと思います。企業規模の違いによる差も感じます。
以下に代表的な捉え方をならべてみます。

・価値観 
 心の中で大切にして欲しいこと。仕事で迷ったら戻る考え方の基準。

・行動規範
 仕事でとるべき行動原則。してはいけない行動も含むことがある。

・行動指針
 仕事でとるべき行動基準。こうして行動して欲しいという期待や指示。

・基本的な行動
 5Sや日常の挨拶など企業人としての基本動作や日々のふるまい

企業規模が大きく成ればなるほど事業も増え、社員も増えますから、全社員が理解できるバリューは、どうしても抽象度が高くなります。大手企業では、価値観や行動規範、行動指針として設定する会社が多いように思います。

逆に、社員数が少なく、日常的に社員と接することが多い中小企業の経営者は、常に現場の現実を見つめていますので、バリューも社員に求められる基本的な行動を定めたものが多いように感じます。

また、似た言葉で「コンピテンシー」という言葉もあります。これは「業務の結果を十分出している時に発揮されている業務上の行動」です。

心掛けやスタンスなど内面の基準を含むこともありますので、バリューと重なる部分もありますが、「業務に直結する行動」という部分が違います。
バリューは、職種を問わず、全社員にとって欲しい共通的な考え方と行動ともいえるでしょう。

どの意味でバリューを使うか、どの言葉を選んで共有するかは、会社ごとに決めればいいと思います。特に行動規範と行動指針は違いが曖昧です。ニュアンスは違っても内容は大きく変わらない気がしますので、正直どちらの言葉を使ってもいいと思います。

合う、合わないでも構いません。自分たちにとってしっくりする言葉を、時間をかけて社員と一緒に探してもいいですね。

バリューは理念実現の手段である
大事なことは、バリューの意義です。
パーパス・ミッション・ビジョンという上位概念は、全て心の中の「想い」を言葉にしたものですが、バリューは実際の行動を伴います。バリューは、上位概念を実現するために、何を大切にして行動するかを定めたものです。Why(なぜ?)・Where(どこへ?)に対して、How(どうやって?)を具体化したものですから、手段といえるでしょう。

バリューは理念と一貫性があるか?
注意しなければならないのは、会社の目的や未来を起点にしてバリューを定義できているか、という点です。

素行が悪い社員がいる、結果を出せない社員がいる、だからこういう行動指針を作る、バリューにする・・・。入口としてはありですが、これだけでは単なる「ルール集」になります。ルールは最低限守って欲しいこととして定めるべきですが、バリューは上位概念からバックキャストで考えて欲しいと思います。

会社の存在意義・社会的使命・理想の未来は掲げた。でも実現するためにはどうするか?
社員全員で〇〇を大切にしよう、〇〇の行動をしていこう!ですね。
実現に向けた手段として「大切にしたい価値観」「理想の行動」を示す。これがバリューです。

全て完璧にできたらスーパーマン!で構いません。
みんなで目指す。経営者も率先垂範して示す。わが社の「理想の行動」が明確であれば、全社員が同じ方向を向いて、日々動いていけるようになります。
理念はバリューまで繋がることで会社の軸になり、一貫性をもった経営マネジメントができるようになります。

次回はバリューを含む理念の策定方法についてお伝えしたいと思います。

続きは、こちらから


追記:バリューの意味と注意点はお分かりいただけたでしょうか?
「どこまで決めればいいの?」「本当に必要?」など疑問もあるかと思います。
そんな時は、気軽にお問い合わせください。共に考えるお手伝いが出来ればと思います。